関節リウマチ

リウマチの患者さんが、日常生活を送るうえで一番大切なのは、「じゅうぶんな睡眠時間をとる」ことです。夜更かしは避け、お酒を控えるなどの注意が必要です。リウマチの活動期にお酒を飲むことは、火に油を注ぐような結果になりかねません。また、ベッドや洋式トイレを利用する、台所での立ち仕事の際は適度な高さのイスを使うなど、関節に負担をかけない生活を心がけることが大切です。

無理をすること

リウマチの発病初期には関節の炎症症状も強く、疲れやすい状態にあります。この時期には無理をしないことが大切です。発病初期の炎症の強い間は安静にして、1〜2ヶ月休んでいるだけでリウマチの炎症はおさまってきます。さらに薬物療法が加わるとコントロールがしやすくなります。がんばり屋の患者さんが無理をして、その後急速に病状が悪くなるということがありますので、調子の悪い時期には無理をしないよう注意してください。

 

ステロイド薬を急に中止すること

発病初期にはステロイド薬、抗リウマチ薬、非ステロイド薬の3種類の薬を組み合わせて使用されることがよくあります。服用している薬の中にステロイド薬がある場合は、1日何mg飲んでいるかということを正確に知っておいたほうがよいでしょう。ステロイド薬は服用を急にやめるとリバウンド(反動)と呼ばれるリウマチ病状の急激な悪化が見られます。ステロイド薬を自己判断で止めてはいけないということを忘れないでください。

 

調子がよいからといって治療を中断すること

薬物療法により治ったと思ってしまって、薬を飲むことをやめてしまう患者さんがいます。ある程度よくなった方は長期間リウマチが再発しない場合もありますが、半年から1〜2年経つとほとんどの患者さんで再発してきます。したがって、リウマチがほとんど治ったという状態になっても薬物治療はつづけたほうが良いのです。飲む量を減らす、服用回数を減らすということはあっても完全には止めないほうがよいでしょう。

 

体をぬらしたり冷やしたりすること

昔からリウマチを悪化させる原因として「風・寒・湿(風・冷え・湿気)」が知られています。雨にぬれたり、寒いところで長時間過ごしたりして、体を冷やすことがありますが、冷えをきっかけにリウマチが悪化することがあります。そのような時は、お風呂に入ってじゅうぶんからだを温めて、早めに痛みをやわらげることを心がけてください。またカイロなどを用意して、体が冷えたときは温めるようにすると、それだけで痛みがやわらぐことがあります。

 

 

不用意に重いものを片手で持つこと

日常生活のなかでとくに注意したいことは、調子の良いときに、ついお鍋を片手で持ったり、あるいは牛乳瓶やビール瓶を持って関節を痛めてしまうことです。 痛めやすいのはより小さい関節です。肩よりは肘、肘よりは手首、手首よりは指などです。つまりなるべくおおきい関節を使ってモノを持つように日頃から習慣づけることが大切です。そして、片手よりは両手、両手よりは全身を使ってモノを持つ、あるいは台車を利用するなどの工夫が大切です。関節を痛めたことをきっかけにリウマチが悪化していくということもあるので注意してください。

 

同じ姿勢を長時間続けること

とくに主婦の方に気をつけていただきたいのですが、編み物や読書、庭の手入れなど普段おこなっているような動作でも、長時間続けるとそれが思わぬリウマチ悪化の引き金になることがあります。「長時間」というのはリウマチ患者さんの場合、30分以上が目安です。とくに編み物は首の頚椎というところを痛めやすく、頚椎障害の悪化の原因には編み物、読書が入っています。読書でも編み物でも何でも、20分を目安におこないましょう。その後は体をほぐすとか、別の動作を取り入れるようにしてください。

 

体を冷やす食事と消化の悪いものや甘いものをとりすぎること

タケノコやカキ氷、夏の冷たい果物などはからだを冷やすといわれていますし、イカやタコなどの海産物は消化が悪いといわれています。このような体を冷やすものや消化の悪いものはリウマチを悪化させることがあります。からだを冷やした後に強く痛みが出たり、消化の悪いものをとり過ぎて胃や腸の働きが悪くなったりすると、薬が飲めなくなり病状の悪化につながります。「病は胃から」と胃や腸の働きが衰えないように普段から食習慣に気をつけてください。

 

また、甘いものをとり過ぎると昔から骨をもろくするといわれています。甘いものはカルシウムの吸収を抑え、脂肪細胞を増やします。骨が弱くなる、体重が増えてしまうなど、リウマチにとって糖分のとり過ぎはよくないことが多いといえます。

もちろん糖分には、心の鎮静作用やストレス解消作用など良い面もありますので、甘いものがすべて悪いということではありませんが、とり過ぎないよう注意が必要です。

 

高い枕で寝ること

頚椎は力を抜いた状態では前向きにうつむく格好になります。高い枕はそれをさらに助長するので低い枕の方が頚椎に負担がかかりません。とくに仰向けに寝るときは自分の姿勢と同じくらいの低い枕で寝ることが大切です。首が前にずれてくることを亜脱臼といいますが、頚椎に亜脱臼が起こって、それがある程度ひどくなりますと、両手両足にしびれが出てきます。しびれが少しでも出てきたときには低い枕や頚椎枕を使用すると予防できます。